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5万人以上が来場する国立競技場。安全で快適な試合運営の糸口に!
~ FC東京ナガレミル実証インタビュー ~

お客様情報

東京フットボールクラブ株式会社(FC東京)

      

FC東京は、東京都をホームタウンとするJリーグ所属のプロサッカークラブです。1999年にJリーグに加盟し、プロサッカーチームの運営をはじめ、サッカースクールや普及活動、オリジナルグッズの製作・販売など、多岐にわたる事業を展開しています。ホームスタジアムは味の素スタジアムで、ホームゲームでは毎試合3万人以上の観客を集める高い人気を誇ります。また国立競技場で開催される試合では、5万人以上が来場し、地域のみならず全国的にも注目されるクラブです。

導入サービス

ナガレミル

「ナガレミル」は、3D-LiDARとAIを活用して、広い範囲で歩行者や車両の数、方向、速度などをデータ化するサービスです。最大の特徴は、3D-LiDARセンサーによる人の検知機能です。これにより、夜間や雨天でも高精度で人を検知できます。また、カメラとは異なり個人情報を取得しないため、自治体、イベント施設、公共交通機関など、さまざまな場面での活用が期待されています。

実施概要

●実施項目       :ナガレミルによる人流観測

●実施日時       :2024年9月14日 「FC東京 vs 名古屋グランパス」戦(ホームチーム:FC東京)

●計測時間       :13:00~22:00(試合時間 19:00~21:00)

●計測場所       :国立競技場

●実施内容       :①国立競技場から【千駄ヶ谷駅・信濃町駅・国立競技場駅・外苑前駅】へと通ずるゲート上へ
              3D-LiDARを設置し、通行人数と移動方向を計測。
             ②実施内容を人流や交通解析を専門とするコンサル会社「ベクトル総研様」に共有し、
              課題の対策案を提案いただきました。



実施の経緯

来場者が安心して過ごせる環境を整えるため、
まずは現状の混雑状況を数値化し、それを基にさまざまな対策を検討したい

お二人のお仕事内容と、FC東京が目指す試合運営の方針について教えてください。

私たちは、FC東京の運営部で、来場者の皆さまが安心して過ごせる環境づくりに取り組んでいます。主な業務内容は、競技場の運営や競技周辺のセキュリティ、安全管理です。試合の運営方針は安心・安全を提供することを基本に、お客さまの視点に立ったホスピタリティの向上を目指して活動しています。特にお客さまが感じるストレスをどのように減らせるかを常に考えながら、運営の改善に努めています。



国立競技場での試合にナガレミルを導入いただきましたが、背景やきっかけ、
またこれまでの試合運営の課題と取り組みについて教えてください。

私たちが目指しているのは、来場者の皆さまがストレスなく快適に過ごせる環境を提供することや、競技場内でのホスピタリティ向上に取り組むことです。その中で、混雑の緩和が重要な課題の一つとしてあがりました。
国立競技場での試合運営に関しては、試合実績が2022年からのスタートで、2022年と2023年で2試合ずつ計4試合を実施しました。その中で特に課題となっていたのが、試合後の混雑と帰宅までの時間の長さです。

国立競技場での試合は代表戦なども含め、警察からは一般の方の通行の妨げについて具体的な指示があるわけではありませんが、「帰りの混雑には十分注意するように」と毎回アナウンスされます。また近隣の方や来場者の不満足度を下げることは運営においてとても重要で、強化試合を実施する際にもこうしたフラストレーションを軽減する取り組みが求められます。
この問題を数値化し、具体的にどのくらいのお客さまがどの駅に向かわれているのかを把握することで、改善策を検討したいと考えていました。そうした背景から、国立競技場での人流計測をお願いしました。

実施結果

千駄ヶ谷駅方面への退場者が半数
早めの案内と北参道駅方面への誘導が混雑緩和への鍵

国立競技場から各駅へ向かう4つのゲートに3D-LiDARを設置し、13:00~22:00の通過人数を計測しました。試合は19:00~21:00で行われ22:00に全ての来場者退場が完了しました。試合終了、千駄ヶ谷駅方面のゲートでは、道幅約10mの箇所で最大10分間(21:00~21:09)に約2300人が通過しました。暗い状況や人の密集があったにもかかわらず、日中と遜色ない精度でデータを取得できました。結果は千駄ヶ谷駅方面へ向かった観客が最も多く、次いで国立競技場駅方面が多い(グラフ1)ことが確認されました。

計測データを人流解析コンサルタントのベクトル総研様に提出し、分析を依頼しました。

■■ベクトル総研様コメント■■
「人の移動人数と時間帯を示すデータ(表1)を見たところ、試合終了の1時間前から徐々に観客が退場し始めていることがわかりました。しかし今回の計測のみでは、常にこの傾向となるかは定かではありません。もし、事前退場者の退場開始が試合終了後だった場合、今回よりも退場時の混雑が大きくなる可能性があります。このため、入場時・ハーフタイム時から事前に退場案内を行ったり、試合終了前から案内看板を出すことで、スムーズな退場を促すことが重要です。また、退場ゲートの混雑予想や駅の待ち時間予測を提示することでさらなる混雑の緩和が期待できます。






当日の試合には、どれくらいの来場者がいらっしゃいましたか?
また、平均の来場者数も教えてください。

今回は5万5896人の来場者がありました。今年の平均来場者数は1試合あたり約3万3000人ですが、国立競技場で開催する場合はその約1.5倍に増加します。

人流計測を実施した際に、どのようなことが分かりましたか?また、計測を通じて気づいた点や、事前の予想と異なったことがあれば教えてください。

数値や結果を拝見して、データ全体としては想定していた内容と概ね合致していて、精度の高さを実感しました。また信濃町方面に向かう方が予想以上に多かったと感じました。一方で、外苑前を利用される方は思ったほど多くなく、国立競技場駅や千駄ヶ谷駅方面に向かう方は想定通りでした。国立競技場駅と千駄ヶ谷駅以外の場所を利用される方の動きには、予想との大きなギャップがあると感じました。お客様の流れは私たちのチームでも予測していましたが、今回、来場者の動線を時間ごとに視覚的かつ数値的に把握でき、とても参考になりました。

今回の計測結果を受けて、今後どのような対策を検討されていますか?

北参道駅方面に行く人が少なかったため、想定よりもそちらへいかに案内するかを検討する必要があると感じました。視覚的なデータも出ているので、その結果を参考にしながら対策を考えていきたいと思います。またこの数値を知って終わりではなく、これを繰り返し続けることが重要だと思っています。次に改善を行った上での数値も確認し、帰りの動線を分散させることで、事故防止や満足度の向上につなげていければと考えています。

     

FC東京が語る、ナガレミルの魅力とは?

コンパクトで高精度なデータを取得でき、負担のかかる手作業での
カウントも不要。プライバシーにも配慮したソリューション

ナガレミルについて初めてお聞きになった際の印象はいかがでしたか?
また、特に気に入っている点や優れていると感じた点についても教えてください。

資料を拝見した時点ではイメージが湧きにくかったものの、現地で映像を見てその技術の素晴らしさを実感し、さまざまな活用が可能だと感じました。特に、個人を特定しない配慮がされている点は非常にセンシティブな現代において重要であり、大きな魅力だと思います。実際のサービスを現地で確認した際には、非常に分かりやすい数値データに驚かされ、単なるカウントに留まらず、どの方向から人が来ているのかといった情報を映像で可視化できる点が印象的でした。予想と大きな差はない結果でしたが具体的な数値化によって対応方法や考え方が明確になり、大変参考になりました。また、数値データを漏れなく取得でき、個別カウントの手間が省ける点や、コンパクトなサイズで高精度なデータが取れる点に大変驚きました。このサイズであれば通行の妨げにならず、スムーズな入退場を促すことができます。スポーツイベントのように特定の範囲に多数の人が密集する場面では、目視で個別にカウントするのは困難です。こうした状況で、LiDARを使った技術の利便性と有用性の高さが際立ち、国立競技場での人流も高い精度で計測していただけると考えました。

               個人情報を取得しないデータとして人の動きを映像化




当社スタッフの印象とナガレミルの不満点も聞いてみました

当社のスタッフについて印象や評価をお聞かせください。

こちらの要望に対してすぐに対応していただき、事前の設定から当日のサポートまで、非常に丁寧に先導していただきました。特に、マンツーマンでの対応や細かい調整を含めて進めてくださった点が印象的で、こういったきめ細かなサービスはなかなかないと思います。また、設置から現場対応まで一貫してサポートしていただいたおかげで、非常にスムーズに進行できました。現地でのデータ取得においても、無理なお願いや急な調整にも臨機応変に対応してくださり、本当に感謝しています。

ナガレミルについて不満に感じている点や改善を望む点があればお聞かせください。

結果を受けて「どう改善できるか」といった具体的で踏み込んだ提案をいただけると、私たちも次のトライアルや新たな取り組みにつなげる参考になるので、ありがたいと思います。また、正直なところ、もっとコストが抑えられれば導入回数を増やすことができるので、その点も期待しています。ただし、データや結果を見る限り、このサービスが非常に高度で価値のあるものであることは理解しています。決して費用対効果が低いとは思いませんが、回数を重ねていく中で、さらにコストが抑えられると嬉しいです。

ナガレミルの今後の展望

混雑を課題に抱えているチームもまだまだ多く、
店舗の売り上げアップにも効果的。
今後の発展にさらなる期待をしています。

ナガレミルがスポーツイベントの他に活用できそうな場と将来的な展望を教えてください

サッカー業界では、まだ人流データの活用があまり進んでいません。しかし、実際に話をしてみると、同じような課題を抱えているクラブも多いのではないかと感じています。特に、韓国で起きたイテウォン雑踏事故の影響もあり、その後、混雑に関する来場者の声が多く寄せられる時期がありました。このような状況を受けて、「何か対策をしなければ」と考える方々は増えていると思います。そのため、ナガレミルのようなサービスには一定の需要があるのではないかと感じています。

また、イベント広場を設けている関係で、どの時間帯にどれだけの人が訪れているかを把握できることは非常に役立ちます。例えば、店舗ごとの回転率が測定できれば、「回転が速いけれど多くの人が訪れている店舗」などのデータを基に、出店するお店を選ぶ際の指標として活用できるでしょう。こうしたデータは、さまざまな場面で有効に活用できると感じています。さらに、私たちが運営しているスポーツイベントだけでなく、駅や空港のテナント向けにも役立てられると考えています。例えば、「人は多く来ているのに売上が伸びていない」という課題に対して、機会損失をテーマに提案を行うことができるでしょう。将来的には、ヨーロッパのように、人の流れに応じてアラートが鳴るシステムの導入も視野に入るかもしれません。それだけ人流データの活用が進んでいると聞いています。リアルタイムでデータを活用できれば、防犯対策や人員配置の最適化など、時間帯に応じた対応が可能になると期待しており、今後の発展を楽しみにしています。

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