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TERAOKA

計量データをリアルタイムに一括管理できる「クラウド対応計量器」を開発
導入店舗では、食品リサイクルループの取り組みで成果

メーカー様情報

株式会社寺岡精工

従業員数
:3,789名(2022年3月現在)
資本金
:1億円
業務内容
:電子はかり、電子計量値付システム、POSシステム
などの製造、販売、保守等

Azure 導入サービス

クラウド対応計量器

計量器と計量管理アプリがインストールされたタブレット端末、計量管理クラウドで構成されるソリューションです。計量器が使うマスタデータ、日々の計量履歴をインターネット経由で計量管理クラウドで収集・管理。品目マスタは自由に登録できるため、様々な目的の計量に活用可能です。

各社の役割

寺岡精工様       :Microsoft Azureベースのクラウド対応計量器を独自開発・販売

ワタミ様        :食品リサイクルループの取り組みの一環で「三代目 鳥メロ」をはじめとする飲食店舗に
             クラウド対応計量器を導入・利用

岡谷エレクトロニクス  :寺岡精工様へのMicrosoft Azureの販売・開発支援
             開発に必要となる各種技術支援を行うとともに、導入後は、機能改修や追加のご支援を
             継続的に行っています。

開発の経緯

環境問題への取り組みから、廃棄物排出量をクラウドで可視化、
管理する仕組みが求められていた

「クラウド対応計量器」開発の経緯について教えてください。

ワタミ様から飲食店舗でも利用・保管できる小型でクラウド対応のはかりはないかと相談をいただきました。
今までもクラウド対応のはかりはありましたが、大型の機器しかありませんでした。
飲食店では、特にバッグヤードのスペースが狭いため、隙間のスペースに立てかけて収納が可能であり、
本部とリアルタイムにデータ共有が可能な計測器を提案し、採用していただきました。

「クラウド対応計量器」の概要について教えてください。

計量器とタブレット端末がワイヤレス接続され、計量器で測ったデータはAzureに収集、保管される仕組みです。店舗や部門、計量する廃棄物の品目などのマスタデータをAzureに保管しています。各店舗で計量したデータが一括でリアルタイムにデータを収集、管理でき、最新版のアプリケーションを各拠点にすぐに配信することもできるというのが、クラウド対応計量器の最大の特徴です。

開発チーム主導でお客様の要望を聞き、要件定義、レビューを行うことで
短期間での開発に成功

クラウド基盤に「Microsoft Azure」を選定した理由、決め手はどこにありましたか?

データをクラウドで管理する仕組みや、タブレットで操作する計量アプリの開発を短期で進める必要がありました。本稼働は2023年10月のワタミ様の新業態店舗オープンのタイミングと決まっていたため、開発期間は2023年6月から9月の約4ヵ月間でした。短期間の開発には、今までの経験や知見、開発資源を有効活用する必要があり、その点で別製品でも利用し実績のあったMicrosoft Azureを採用しました。

開発時に注力したことや、4ヵ月の短納期プロジェクトの成功要因は?

開発手法では、開発チームが直接フロントに立ち、仕様のヒアリング、要件定義、レビューなどを主導したことにあると思います。
それによってスピーディな開発が可能になっただけでなく、お客様の声を直接聞き、ときには現地に足を運ぶことで、成果物の理解が進み、品質がどんどん高まっていく相乗効果が得られました。
店舗では、アルバイトの方々も働いていらっしゃるので、分かりやすく使いやすい仕様を強く意識しました。
また、展開作業についても、開発チームがお客様の本社に赴き、セットアップ手順やマスターの設定方法をレクチャーしました。

今後の展望について教えてください。

今回のクラウド計量器の導入が好評だったので、クラウド連携可能なはかりを順次増やしていきたいです。

また、計量履歴を取得するWeb APIが、廃棄物収集業者をはじめとする他システムとデータ連携し活用できるように、その対応とサポートを進めていきます。また、地域や店舗によって異なる単価を考慮した廃棄コストの試算が可能な新機能をリリースし、サービスの更なる充実を目指してまいります。

導入企業の声

エンドユーザー様情報

ワタミ株式会社「三代目 鳥メロ」大鳥居店様

「三代目 鳥メロ」はワタミグループの居酒屋チェーンです。ワタミグループは、「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」というワタミ理念に基づき、環境問題にも積極的に取り組んでいます。

持続可能な循環型社会づくり実現に向けた取り組みに活用

今回の「クラウド対応計量器」導入に至る背景をお聞かせください。

ワタミグループでは、持続可能な循環型社会づくりを掲げ、「エコ・ファーストの約束」の中に「循環型社会の実現に向け、廃棄物の発生抑制と資源循環を推進」というテーマを掲げています。食品リサイクルを強化し、外食事業では60%の再生利用等実施率を目指しています。
また、食品ロス削減では2030年までに50%の削減をめざしています。

食品リサイクルや食品ロス削減を行う上での課題についてお聞かせください。

これまでも食品リサイクルや食品ロス削減の取り組みは行ってきましたが、廃棄物の排出量を可視化することができていませんでした。
今回クラウド対応計量器を導入したことで、店舗でエクセル入力したり独自に集計作業したりせずとも、品目ごとに集計され本社にリアルタイムでデータを共有することができるようになりました。
また、計量の操作が簡単なことから、全ての廃棄物を計量の対象とすることができました。今まで廃棄物処理費用は定額制であることが多かったのですが、廃棄物処理業者と相談し排出従量での請求に変更することができ、廃棄物処理費用を削減することができています。

これまでの課題

  • ①グループ全体で廃棄物排出量を削減し、リサイクルを進めるには、店舗から出た廃棄物の量を可視化する必要がある

  • ②排出量のとりまとめや報告書作成業務を効率化し、担当者の業務負荷を軽減したい
  • ③請求方法を変更することで今後値上がりが予測される廃棄物処理費用を最適化したい

クラウド対応計量器を活用した結果

  • ①計量器は省スペースで運用可能。タブレットの操作も直感的で、廃棄物排出量を簡単に可視化できるようになった

  • ②自動でデータが本社に送信されるので、各店舗での廃棄物排出量の報告書作成が不要になった

  • ③廃棄物処理コストは導入前と比べて約3割程度のコスト削減効果があった

導入決定後、本格展開に向けて、どんな点に注力しましたか?

廃棄物の計量は廃棄物収集の時間帯に合わせて行うため、閉店間近、または営業時間中に実施が必要でした。店舗の業務負荷を極力減らすように、本格展開前に「三代目 鳥メロ」大鳥居店を含め2店舗でテスト導入して検証しました。検証の結果、オペレーション的に問題ないことを確認し、正式展開を決めました。

店舗では主にアルバイト従業員が廃棄物を計量するので、メンバー1人1人になぜ計量を行うのか、目的を説明し理解を得ました。会社の方針として常に環境問題についての話をしていたので、今回の取り組みもアルバイト従業員に抵抗なく受け入れてもらうことができました。

導入前に比べて約3割の廃棄物処理コストの削減効果があった

クラウド対応計量器のメリットについて教えてください。

店舗では「省スペース」「従業員の操作性」という点が挙げられます。計量器のサイズがコンパクトで、省スペースで運用でき、タブレットは直感的に操作が可能です。品目ボタンを押して計量→確定ボタンを押すとすぐに計量結果が印字されたシールが出てくるのでアルバイトでも外国人スタッフでも簡単に操作できます。

導入効果について教えてください。

今回クラウド対応計量器を導入したことで、廃棄物の分別、リサイクルの仕組みを整備することができました。リサイクル業者様・取引業者様にも協力していただき食品リサイクルループの流れを作ったことで、店舗で出た未利用食材が鶏の飼料となり、店舗で使用する卵として戻すことができるようになったので、そのサイクルの一翼を自分たちが担っているという意識が高まりました。

会社としては「廃棄物処理コストの最適化」「食品リサイクルの進展」の2点が挙げられます。2023年10月の導入開始から約40店舗に導入を進めた結果、処理費用は導入前に比べて約3割のコスト削減効果がありました。2023年は順次導入していった形ですが、食品リサイクルへの排出量は約93トンとなり、全国のリサイクル工場にて飼料化・肥料化されています。(2024年3月時点)

今後の展望について教えてください。

2024年度末までに「クラウド対応計量器」を追加で50店舗に導入し、食品リサイクルを行う店舗を90店舗にしたいと考えています。2025年度は、ワタミグループと廃棄物収集業者が直接契約している全国の150店舗に、この仕組みを導入していきたいと考えています。

ゆくゆくは現在の本社主導ではなく、各エリアを所管するエリアマネージャーが食品リサイクルの取り組みを進めていけるよう、さらなる管理負荷軽減がテーマとなってきます。今後も寺岡精工様には、我々の課題を解決するパートナーとしての継続的な支援を期待したいです。

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